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28. 歌う文具屋 田舎に舞い戻った僕は、すぐに文具店に就職した。地元では群を抜いて給料が 高かった文具店。当時の社長(後の会長)の名前は高山岩雄。岩のような、顔 (失礼!)いや信念。僕はこの社長の元で、世の中の仕組みやルールを学ばせ てもらうことになる。社長は、とても人間的な人だった。お客をひたすら大切 にしていたし、僕ら従業員へ1円でも多く給料を支払いたいと、誰よりも汗し ていた人だった。起きて半畳寝て一畳…。贅沢は一切無し。質素倹約を絵にし たような努力家だった。その分、厳しい面もあったけど、従業員のみんなから 愛されていた人だった。 そこにアルバイトの大学生。大きなバイクに真っ黒のサングラス。ボクシング をやっていた…男を絵に描いたような先輩が登場してきたんだ。真面目な先輩 でね。僕はいっぺんに憧れてしまったよ。タバコと酒を教えてくれたのはこの 先輩。正月に遊びに行った時「むたくん、男は酒、タバコくらいはしないと」 そう言って勧めてくれたんだ。そしたら、数ヵ月後、その先輩は禁煙。そして 「むたくん、タバコは体にようなかぞ!(良くないぞ)」この先輩、僕が後に 保育士になる切っ掛けを作ってくれた。家業が保育園だったんだ。「井上章先 輩、禁煙の苦しみまで体験させて頂き、ありがとうございます!」 さらに、アルバイト生がやってきた。この先輩は、僕の隣に住んでいた先輩で、 いーっぱい遊んでくれた兄ちゃん。だから底抜けに嬉しかった。これまた優し くてケンカの強い硬派の男。当然、女性にモテモテ。この僕、何度頼まれて綺 麗な女性からのラブレターを先輩の元へと運んだことか。でも、知らんふりす るニヒルな先輩だった。イッヒヒ、でも僕は知っていたんだ。この川添康則兄 ちゃんは、とても照れ屋だったってこと。今でもそうだけど、少年の心をいっ ぱい持っている先輩なんだ。 今現在、年に数回、先輩や、同僚、後輩たちが集まって<たかやまファミリー >として飲み会をしているんだけどね。みんなそれぞれ会長が大好きなんだ。 そして、それぞれが『自分が一番会長に愛されている』なんて思っている。で も一番愛されているのは、この僕!ニャハハハ~ この時代の僕はもっぱら曲作り。休憩時間に歌っていたよ。従業員のみなさん に聞いてもらってね。コンサート活動は、時間的に難しいものがあったんだ。 僕は大学は出ていないけれど<たかやま文具店>の会長から、それ以上だと思 うくらいの社会的な知識と体験をさせてもらった。だからね<たかやま大学> のりっぱな卒業生!高山岩雄学長、深謝です!
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