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16. 負けて勝つ 中学に進学して、僕は弁論大会で、<老人のゆくえ>と題し…そして優勝した。 講評で審査に当たった先生は、「何もしゃべらなかったのに優勝できたのは、 お前くらいだ」と、会場の笑いを誘った。大好きだったじいちゃんのことを話 す予定の論文。ところが、声が詰まって…泣きっぱなし。しゃべらないのに優 勝。なんとなく罪悪感。 優勝といえば、もうひとつ、へんてこりんな優勝があるよ。負けたのに、優勝。 学校の隣が神社で、土俵があってね。そこを使って、毎年、相撲大会があった んだ。その決勝戦。勝ちあがった僕の相手は、柔道部の部長。チビむた対、で っかい筋肉マン三四郎。勝ち目なし。案の定、僕は、あっという間に投げ飛ば されて勝負あり。ところが僕の勝利の女神。ニコニコと微笑んだ。軍配は僕に。 『えっ、なんで?』しばし、ぼう然。説明によると、相手の技は背負い投げ。 禁止技らしい。なんとも複雑な優勝カップ。ガッツポーズなんて、できっこな いよねぇ。 本物の優勝経験は100メートル走。校内記録更新での優勝。ライバルがいて ね。そいつのおばあちゃんが、決勝の前に、そいつに栄養ドリンクを飲ませて いたのを目撃したんだ。燃えたねぇ~。栄養ドリンクなんかに負けるもんか。 っで、優勝ってわけ。
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