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15. ヌカ雑巾 あの頃の学校は、どこも木造。僕の小学校なんか、「風もないのにフラフラ♪ 」なんて歌われるくらいだったよ。でも、これは茶化しじゃなくて、愛着だっ たんだよ。確かに、電信柱のような丸太で、突っ張りをしてあった校舎。その 廊下をクラスごとに競い合ってピカピカに磨いていたんだ。ぬかを入れた袋状 の雑巾を作って、磨いていたんだ。みんな廊下に一列に並んでね。しゃがみこ み、キュッキュッと磨きながら進んでいくんだ。その板張りの廊下が、ピカピ カに輝くんだよ。まるで鏡のようにね。打ち込んである釘もピカピカ。 歩くとギーギーきしむ音。隙間風の吹き込むガラス窓。床の下、階段の下には、 隠れ家のようなところがいっぱいあったよ。木造校舎って、子供たちと仲良し だったんだ。僕らと一緒に遊んでくれたし、優しく包み込んでくれた。生きて いるっていう実感があったな。コンクリートの校舎は、古くなるってことが似 合わないだろ。ただ、汚くなっていくって感じだろ。 木造は、古くなればなるほど、深い味が出てくるって感じ。歴史を刻んでくれ るよね。古いってことが、ボロになっていくってことじゃないんだな。「お帰 り、元気だったかい」って、いつでも迎えてくれる気がする。その声が聞こえ る。思い出を大切に抱きしめていてくれる。いつまでも、現役なんだよなぁ。 子供たち…その感性豊かな季節を、木がいっぱいの校舎で過ごして欲しいって 思うよ。木造校舎をいっぱい造ろう! ♪ 遠くへ行けば 青くなる 遠くへ行けば 山になる すっぽり暗く なってきて ざくざく星が 顔を出す 人が来なけりゃ いいのかな 人が行かなきゃ いいのかな 「遠くへ行けば」より
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