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2. あんちゃん隊長探検隊 マッチといえばロウソク。ロウソクもまた友達だったな。学校の廊下に塗り込めば、オ リンピックのスケートリンク。靴下で走って滑る。体温計のように脇に挟んで温めれば ろう粘土。でもロウソクも火を点す楽しさが一番だったな。 空き缶の底に釘で穴を数箇所開ける。次に側面に2つ開け、そこに針金を通し、ぶら提 げる時の取っ手を作る。名づけよう、提灯形懐中電灯。 夕食後。6、7名の探検家が井戸端に集合。デカ、チビ、ノッポ。いろんな探検家たち。 ロウソクに火をつける。そのロウソクのしずくを提灯形懐中電灯の中に垂らし、そこに ロウソクを立てて、いざ、出発。とっ、早速コロコロと鳴く怪しい生き物の声。すぐさ ま、隊長のあんちゃんに報告。「伏せろ」僕らは息を殺しホフク前進。敵?に気付かれ ぬよう巧妙に近付くんだ。「よし、後は俺にまかせろ」そう言うと、隊長が小石をそ~ っと取り除く。俊敏な動き。みごと獲物の捕獲に成功。さすがっ隊長。僕ら、その勇気 を称えながら獲物を確認。ピカピカに光るエンマコオロギだった。実に男性的で凛々し くてね。忍者のようなコオロギだった。 探検は、さらに続く。なんと深夜まで。「早く帰っておいで」という親は、いなかった。 だって夏休み。組織のしっかりした探検隊の勝ち得た信用のたまもの。決して見捨てら れていたわけではないよ。待望のオバケにもたくさん会った。闇になればなるほど、ロ ウソクの火が眩しく照らしてくれたっけ。 僕たちは、こうして無事に探検を終えて井戸端に到着し、それぞれの保護者宅に散って いくんだ。そ~っと蚊帳の中に入ろうとするとね。「ゆうじ、お帰り」母ちゃんは、ち ゃんと待っていてくれたんだよ。
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